アスパラガス栽培で大切なのが「土づくり」と「水やり」です。
みなさんも知っての通り、アスパラガスには深い根が張っているので、根元の土の状態が生育に大きな影響を与えます。土が固くなったり、水が足りなくなるとアスパラガスは大変なストレスを受けます。
そこでまず土づくりが大切になってきます。定植した後も通路にたい肥や肥料をまいて、土の力を保つことが必要です。時にうねを被せ物で覆うのも良いでしょう。特に夏場は土が乾燥しがちですからね。
次に大事なのは水やりです。アスパラガスにとって、水やりは超重要です! データを見ると、潅水量を増やすだけでも収穫量がグンとUPするそうです。コツはうね間にピンポイントで供給すること。週に30~45ミリが目安だそうです。
この2つを意識的にやれば、アスパラガス初心者でもきっと大豊作が掴めるはず! 土と水の世話、頑張りましょう!
アスパラガスの定植後の土づくり
アスパラガスは、一度植え付けたら10年以上も同じ場所で育つ多年生植物です。そのため、定植後も土づくりを継続して、ほ場の力を維持することが大切です。
土づくりを継続しないと、土壌の通気性や排水性が悪くなり、根腐れや病害虫の発生しやすくなります。また、肥料養分が不足し、収穫量が低下することもあります。
通路部への有機質資材の施用
土づくりを継続するためには、通路部分に良質な堆肥や有機質資材を施用するのがおすすめです。堆肥や有機質資材を施用することで、以下の効果が期待できます。(有機質資材とは有機質肥料、緑肥、ピートモスなどの草炭類、油粕などの有機質肥料、もみ殻くん炭などの炭化資材などのことです。)
- 土壌の通気性や排水性の維持向上
- 肥料養分の補給
- 保水効果
通路部への有機質資材の施用と中耕をあわせて、うねへ培土します。
具体的には、以下の点に注意して土づくりを継続しましょう。
- 通路部分に良質な堆肥や有機質資材を、年2回程度、1平方メートルあたり10kg程度施用する。
- 通路部への有機質資材の施用と中耕をあわせて、うねへ培土する。
- 土壌診断結果に基づいて、肥培管理を行う。
これらの点に注意して土づくりを継続することで、アスパラガスの健全な生育と収穫量の向上につながります。
鱗芽の位置の調整
アスパラガスの鱗芽(地下茎の先端にできる芽)の位置は、地表から深さ10~15cm程度に位置するのが適当です。培土時に確認し、適切な位置に調整しましょう。
浅いと、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 乾燥害や低温害(凍霜害)を受けやすく、若茎の曲がりが生じる。
- 収穫物のロスが発生しやすい。
- 萌芽の回転が鈍化し、収量が伸び悩む。
逆に深くても、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 収穫物のロスが発生しやすい。
- 萌芽の回転が鈍化し、収量が伸び悩む。
うね面被覆
夏の高温期にうねが乾燥しやすいほ場やかん水のできないほ場では、敷きワラやもみ殻、腐熟した堆肥でうねを覆うと乾燥防止に役立ちます。
また、露地栽培のアスパラガスは、収穫後に残った茎(収穫残茎)に、茎枯病という病原菌が感染していることがあります。この病原菌は、風や雨によって胞子を飛ばし、他の茎に感染する可能性があります。
そのため、露地栽培のアスパラガスは、収穫後に培土やうね面被覆を行うことで、収穫残茎を覆い、胞子の飛散を防ぐことが大切です。
かん水の効果と方法
かん水(水やり)は、アスパラガスの収量を大きく左右する重要な要素です。
かん水量は、土壌の乾き具合や季節、天候などに合わせて調整しましょう。また、病害の発生・拡大を抑えるため、茎葉に水がかからないようにすることが大切です。
株の養成期にはかん水量を少なめにして、芽が出るのが止まってもかん水を続けます。
田んぼから畑に変えた転作田などの、かん水時や降雨時にうね間に水が溜まりやすい畑では、湿害に注意が必要です。高うね栽培や溝切り(明きょ)、排水対策を講じておきましょう。
終わりに
具体的な栽培方法や管理については、インターネットや書籍などで調べたり、農業指導員などに相談したりするとよいでしょう。また、アスパラガス栽培の経験者から教わるのも、とても勉強になります。
アスパラガスの栽培は、とても奥が深いものです。ぜひ、チャレンジして、おいしいアスパラガスを収穫してください。