アスパラガスの定植

アスパラガスは、定植後10年以上も生育する多年草です。そのため、定植前の土作りは、アスパラガスの生育に大きな影響を与えます。そこで、10年以上収穫するための土作りで注意すべきポイントを解説します。

土づくりのポイント

  1. アスパラガスの根は深く広がるため、定植前に土壌改良が重要
  2. 排水性を高め、過湿を防ぐことが大切
  3. 石灰・リン酸・堆肥・化学肥料を植え溝や全面に施用
  4. 有効土の厚さ40cm以上、ち密度が低いことが理想

以上を守って、土作りを行います。では、細かく見ていきましょう。

土壌の酸度を調整する

アスパラガスは、弱酸性~中性の土壌を好みます。土壌の酸度がアルカリ性に傾いている場合は、苦土石灰を施して酸度を調整します。苦土石灰は、定植の2週間以上前に施します。

土壌の団粒構造を改善する

アスパラガスは、水はけが悪いと根腐れを起こし、水はけが良すぎると根が乾燥して枯れてしまいます。そのため、アスパラガスの土づくりでは、水はけの良い土をつくることが大切です。

アスパラガスの根は、深さ70cm、幅150cm以上に広がります。アスパラガスは、一度植え付けたら10年以上も同じ場所で育ちます。そのため、植え付ける前に、しっかりと土づくりをして、根が張りやすく、健全に育ちやすい環境を整えておく必要があります。

具体的には、土壌の団粒構造を改善します。団粒構造とは、土の粒子が集まって団子状になった状態のことです。団粒構造が良好な土は、水はけが良く、空気を含みやすいため、根の発育に適しています。

団粒構造を改善するには、堆肥や腐葉土を施します。堆肥や腐葉土は、土壌中の有機物を増やし、団粒構造を改善する効果があります。堆肥や腐葉土は、植え付けの1週間前に施して耕耘(耕す作業)を丁寧に行うと根が張りやすくなるでしょう。

畝作り

畝は、幅1m、高さ20cmを目安に作ります。畝を作ることで、水はけと通気性が向上します。

下層土が良くない場合

もし、土の深い部分がとても悪い場合は、土を深く耕したり、深く掘ったりするのは避けてください。代わりに、土の表面の部分だけを改良しましょう。また、客土(別の場所の土を運んでくる)をして、作土(植物が育つための土)を確保したり、盛り土をして、土の深さを増したりするのも有効です。

土づくりの手順

  1. 植え付ける1ヶ月前までに、畑の表面の雑草を刈り取っておきます。
  2. 畑の土を最低でも20cm程度深く耕します。(できれば40cm)
  3. 1平方メートルあたり、苦土石灰、カキ殻石灰などを200gをまき、よく混ぜます。
  4. 1平方メートルあたり、堆肥10kgをまき、よく混ぜます。
  5. 1平方メートルあたり、化成肥料または鶏糞をまき、よく混ぜます。
  6. 植え付けの1週間前に、畝立てをし土の表面にならします。

収穫管理のポイント

  • アスパラガスは、春と秋の2回収穫することができます。
    収穫するときは、茎が太くて、穂先が柔らかく、色が濃いものを収穫しましょう。茎の下部が硬くなってきたら、収穫を終了します。
  • 落葉から春先までは養分の蓄積期間
    収穫が終了したら、株の周りの雑草を取り除き、追肥を行います。
    この期間にしっかりと養分を蓄えておくことで、翌年の収穫量を増やすことができます。
  • 地下茎は分枝しながら拡大、そこから新しく鱗茎が生えてくる
    アスパラガスの地下茎は、分枝しながら拡大し、そこから新しく鱗茎が生えてきます。鱗茎は、次の年の春に芽吹き、茎になります。

収穫や管理については別の記事でくわしく解説したいと思います。

終わりに

アスパラガスは水はけと団粒構造が大切!

この2つのポイントを押さえて、10年収穫できるアスパラガスを育てましょう!