はじめに
我が家の畑では、毎年じゃがいもの植え付け直後、カラスの被害に悩まされていました。

植えたばかりのじゃがいものの種芋がほじくり返されて食べられてしまうのです。対策として、これまでさまざまな方法を試してきました。マルチを使ったり、深めに植えたり、ネットを張ったり…と、手間と費用をかけてきたが、カラスの賢さには敵わず、効果は一時的なものに過ぎませんでした。
そんな中、ネット検索で「テグスを使えば手軽にカラスよけができる」というサイト見つけ、早速試してみることにした。その結果、簡単で安価に設置でき、驚くべき効果が得られたので、ここに紹介したいと思います。
テグスがカラスよけとして有効な理由
カラスよけにはさまざまな対策がありますが、柵やネットを設置するのは手間がかかります。音や光を使った忌避対策は一時的な効果しかないと言われています。
一方、テグスは設置が簡単で、しかも安価。長期的な対策として優れています。カラスよけにはテグス一択と言ってもいいでしょう。
カラスよけとして有効な理由
鳥類にとって羽が傷つくことは命取りになる可能性があるため、羽にものが触れることを嫌うそうです。
カラスはとても目が良いそうですが、細くて目立ちにくい黒色のテグスは、カラスにとって目立たず、一度でもテグスが羽に当たれば、「この畑に侵入すると羽が傷ついてしまう」ということを学習し、侵入を避けさせる効果があります。
参考:農研機構 動物行動管理グループの鳥害対策資料
テグスを用いた防鳥の研究結果が詳細に掲載されています。鳥は羽が傷つくことを非常に怖れる。
参考:農業の天敵カラスから作物を守るために【後編】カラスに効く鳥害対策とは
カラスは頭がいいので、わざと畑に誘い込み、見えづらいテグスにぶつからせて、「この畑は危険だ」ということを学習させる。という方法もあるそうです。なるほど。
テグスの設置方法
必要な材料
- 細い黒色のテグス(直径約0.2mm)
- 支柱(木製や金属製のものを使用)
- ハサミ
- 結束バンド
設置手順
- 畑の周囲に支柱を立てる
支柱の高さは60cm程度が効果的。支柱の間隔は2-3m程度空ける。 - 支柱間にテグスを張る。
テグスは地面から60cm程度の高さに張る。
テグスは適度な張り具合にする。
張りすぎるとテグスが切れやすくなるため注意が必要。 - テグスは結束バンドで支柱に固定する(縛るだけでもOK)
緩んでいないか定期的に見回りましょう。1週間に1回程度の頻度で確認し、緩んでいる部分を張り直します。
このように、支柱を立ててその間にテグスを張り巡らせることで、カラスの侵入を効果的に防ぐことができます。テグスは細くて目立ちにくいため、カラスの視覚を欺くことができるのが大きな特徴です。
実際にテグスを使用してカラスよけに成功した例
4/3 じゃがいもの植え付け

先日マルチを張った畝にじゃがいもを植えました。
ノーザンルビー、キタアカリ、インカのめざめの3種類です。
近所のホームセンターや種苗店はすべて種芋が売り切れていたので、ネットで購入。

「野菜だより」という雑誌の2018年1月号に載っていたマルチの超浅植え栽培法を試してみます。
保存性が良くて多収になるそうです。

4/6 カラスにやられた。
畑の見回りに来てみると、マルチの上に穴の開いた芋が転がっていました。嫌な予感。


カラスにほじくられてしまったようです。

先日植えた種芋のほとんどを食べられてしまいました。
植え直し後、とりあえずネットを張り、カラスよけにしました。
成長してきたらなにか別の方法を防鳥方法を考えねば…。
3列あるため成長してきたらトンネルでは窮屈です。
4/19 シカが侵入
植え直したじゃがいもの見に行くと、今度はマルチに穴がたくさん開いています。鹿の足跡のようです。
また種芋を食べられたら堪りませんので畑の周りの防獣ネットにも対策を施します。

防獣ネットの下20cm位が開いたままでしたので、そこから侵入したのでしょう。

ネットを地面まで下げ、上部は鹿が飛び越えられないような高さに紐を張ることにしました。
5/2 防鳥テグスでカラスの侵入を防ぐ


このときは透明のテグスを使用しました。

5/22 防鳥テグス、効果あり。
じゃがいもは順調に生育しています。カラスの被害もないようです。

翌年、側面はテグスを張りませんでしたが、被害はありませんでしたので、上面60cmの高さで張ればカラスの侵入を防ぐことができます。
カラスよけテグス Q&A
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どんな種類のテグスを使用すればよい?
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カラスよけとしては、細いナイロン製のテグスがおすすめです。色は、黒でも透明でも効果に違いは見られませんでした。ただ、黄色などの目立つ色は避けたほうがいいでしょう。また、耐候性に優れたものを選ぶと、長期間にわたり使用することができます。釣り糸でも同様の効果があると思います。
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テグスを設置する際の注意点は?
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テグスを設置する際は、人がテグスに引っかからないように注意が必要です。特に低い位置にテグスを張る場合は、人が通る場合があることを考慮して、安全な高さと位置に設置します。また、テグスが張り巡らされていることが周囲にわかるように、目立つマーキングを施すなどの工夫も有効です。
終わりに
カラスによる作物への被害は、多くの農家や家庭菜園オーナーにとって頭を悩ます問題です。この記事が、カラスによる悩みを抱える皆さんにとって有益な情報となり、少しでも被害を減らす手助けになれば幸いです。