はじめに
サツマイモは、手間が少なく育てやすい野菜のひとつです。
しかし、大きくて甘いサツマイモをたくさん収穫するには、ちょっとしたコツが必要です。
本記事では、意外と知られていない「苗の植え方」や「管理の工夫」で、驚くほど大きなサツマイモを育てる方法をご紹介します。
サツマイモ栽培の基本
サツマイモの生育に適した条件は以下のとおりです。
- 気温:25℃以上が理想的
- 土壌:水はけの良い砂質土壌
- 日照:日当たりの良い場所
- 肥料:窒素を控えめにし、リン酸とカリを多めに
しかし、これだけでは「普通のサツマイモ」しかできません。
大きくて甘いサツマイモを作るためには、植え方や管理方法を工夫する必要があります。
苗の植え方で収穫量が変わる!
サツマイモの苗の植え方には、大きく分けて3つの方法があります。
- 垂直植え(直立植え)
- 斜め植え
- 水平植え(寝かせ植え)
それぞれの植え方によって、収穫できるサツマイモの数や大きさが変わります。
垂直植え(直立植え)
- 苗をまっすぐ土に挿す方法。
- 特徴:収穫できるサツマイモの数は少ないが、大きなものが育つ。
- 適した環境:大きなサツマイモを狙いたい場合。
斜め植え
- 苗を斜め45度の角度で挿す方法。
- 特徴:中くらいの大きさのサツマイモが適度に収穫できる。
- 適した環境:バランスの良い収穫をしたい場合。
水平植え(寝かせ植え)
- 苗を地面に寝かせて植える方法。
- 特徴:たくさんの小さめのサツマイモが収穫できる。
- 適した環境:数を多く収穫したい場合。
成長を促す管理テクニック
1. 苗を一度しおれさせる
植える前に苗を30分ほど乾燥させることで、苗が「生き延びなければ!」と反応し、根の活着(かっちゃく:植物が根を張り定着すること)が良くなります。
2. 植えた直後は水をしっかり与える
サツマイモは比較的乾燥に強い作物ですが、植え付け直後の水やりは重要です。
特に最初の1週間は、たっぷりと水を与えましょう。
3. 成長後は水を控えめに
定着した後は水をやりすぎないことが大切です。
水を控えることで甘みが増し、でんぷん質がしっかりと蓄えられた美味しいサツマイモになります。
4. 不要なつるをカットする
サツマイモのつる(茎)が伸びすぎると、養分が分散されてしまい、イモが大きくなりにくくなります。適度に剪定し、エネルギーをイモの成長に集中させましょう。
収穫のタイミングと保存方法
収穫のタイミング
サツマイモの収穫時期は、植え付けから約4〜5ヶ月後です。目安として、葉が黄色くなり始めたら収穫のサインです。
収穫後の保存方法
収穫したばかりのサツマイモは、実は甘みが少ない状態です。収穫後2週間ほど風通しの良い場所で乾燥させる「キュアリング」を行うことで、糖度が増します。
- 適温:30℃前後
- 湿度:80〜90%
- 期間:10〜14日間
キュアリング後、新聞紙に包んで冷暗所で保存すると、長期間美味しく食べられます。
まとめ
サツマイモを大きく甘く育てるためには、植え方や管理方法に工夫が必要です。
- 大きなサツマイモを育てるなら「垂直植え」
- 数を多く収穫するなら「水平植え」
- 苗をしおれさせることで根張りが良くなる
- 水やりは最初しっかり、その後は控えめに
- 不要なつるをカットして養分を集中させる
- 収穫後のキュアリングで甘みを増す
ちょっとした工夫で、収穫量や味が大きく変わります。
ぜひこの方法を試して、大きくて甘いサツマイモを育ててみてください!