2020/7/27 行者にんにくの種を入手

北海道産の行者にんにくの種をヤフーオークションで入手。4日前に採取したものだそうです。10g、約800粒の種です。黒く完熟した良質の種ですが、完熟でないみに入った状態で採種しても、すぐに取り蒔きすれば発芽します。これについては下記の別記事を見てください。

発芽率を良くする最大のポイントは採種後、できるだけ早く種を蒔くことです。

2020/8/2 種まき前日から水に浸す。

前日から水に浸しておいた種をプランターに蒔きます。

土は「赤玉土」「堆肥」「花と野菜のための土(肥料の配合された市販のブレンド土)」を1:1:1の割合で混ぜました。
3年間はこのプランターで育てます。


覆土は2cmくらいがいいです。

2020/11/2 発芽を確認

種まきからここまで半日陰で3ヶ月、夏場は毎日、ここ最近は2~3日に1度程度水やり。雑草を時々手で取るなどの管理をしてきました。

表面上は発芽は確認できません。緑色のものはゼニゴケです。

表面の土をどかしてみると、もやしのようなものが密生しています。
おそらく発芽した行者にんにくだと思います。1~2cmの白い茎と根が見えます。(黒い種の殻みたいなものから生えているので間違いありません。)

あまり傷つけたくないので、掘り返して見たのは2箇所だけですが、発芽率はなかなかいいのではないでしょうか。

春に確実に芽を出させる(休眠打破)には0℃以下が45日以上必要です。(参考文献「新特産シリーズ ギョウジャニンニク」)

2021/3/20 芽が出てきました

冬は霜柱で行者にんにくの根が露出しないよう、プランター内に5cm厚で籾殻を敷き詰めておきましたので、無事に冬を越せたようです。

籾殻を押しのけ、細い行者にんにくの葉が出てきました。

2021/5/22 一部葉が黄色くなってきました。

まだ5月下旬ですが地上部が枯れはじめました。これは行者にんにくの特性です。
若い芽は枯れ上がりが早いですね。

雑草のかなり生えています

2021/11/21 冬が目前

越冬前に成長具合を確認してみます。
葉はもう完全になくなりました。

掘ってみると、小さな芽がたくさんありました。

掘り出して成長具合を確認します。根が10cmくらいまで成長しています。

2022/3/16 葉が出てきました

行者にんにく実生3年目の春です。小さな葉が出てきました。

2022/4/1 繁茂

プランター一面行者にんにくの葉でいっぱいになりました。実生は大成功だったようです。
昨年より葉が大きいです。
1つの苗から出てくる葉はまだ1枚です。成長するに従って葉が増えていきます。

来年には畑に定植できる大きさになると思います。

ギョウジャニンニク: 軟白生産の実際、栄養価値と売り方 (新特産シリーズ) 単行本

もう一つの育て方 – 苗を購入して畑に直接定植した場合の記録

ここまではプランターで種から育てた記録でしたが、実際には苗を購入して畑に直接定植する方法も並行して試しています。標高750m前後の寒冷地は行者にんにく栽培に向いていると考え、2017年に宮城県蔵王産の種900粒をプランターに、翌年には北海道産の大苗100本を畑にと、複数の方法を同時に試してきました。ここでは苗を購入して畑に定植した場合の成長記録をまとめます。

1年目:定植〜初めての開花・採種失敗(2020年)

2020年4月11日、実生3年目の苗を育苗箱から畑に定植しました。栽植密度は条間30〜50cm、株間15〜30cm。土には堆肥を混ぜ込んでおきました。定植から18日後には葉が少し枯れてしまい、日当たりが良すぎたのかもしれません。一方で前年に植えた株は雑草に紛れて元気に育っており、多少遮光されるくらいがちょうどいいようでした。

5月には蕾ができ、5月26日に開花。しかし秋までに定植地が確定せず、密生状態のまま越冬することになりました。6月には種が数個できたのを確認したものの、大雨で全て落ちてしまい、この年の採種は0個という結果に終わりました。6月下旬には雑草に埋もれかけたため、根を傷めないようハサミで雑草だけを刈り取る除草を行いました。11月には霜柱で苗が浮き上がらないよう、あぜシートで畝を囲って籾殻を敷き詰める防寒対策を実施しています。

同じ時期、北海道産の大苗1000本も仕入れ、まず仮植場に一列に並べて保管。11月に畑へ本定植し(20cm間隔、4列で計50本ほど)、元肥として堆肥40リットル・硫安250g・過リン酸石灰500g・硫酸カリ500gを施肥しました。密植気味だったためか、仮植からほとんど成長は見られませんでした。こちらも同様にあぜシートと籾殻で霜柱対策をしています。

2年目:初採種に成功(2021年)

2021年3月、籾殻の上から芽が出てきているのを確認。北海道産の大苗を仮植したままにしていた区画は1年半近く放置状態だったにもかかわらず大繁茂し、隣の植え替え株より葉が大きく育っていました。密植すると競争原理で葉は大きくなるものの、根や分けつは貧弱になっている可能性があります。

5月8日、今年の開花数はわずか3つ。葉が大きく繁茂している割には花が少なく、若い苗が多いことや密植の影響が考えられました。6月に入り種ができ始め、大雨で種が落ちないようビニール袋で保護。7月3日、3つの花から合計15粒の種を初採種することができました。前年の採種0個から大きく前進した年でした。

3年目:有機無農薬栽培への切り替えと結実数アップ(2022年)

2022年からは、それまでの化学肥料中心の管理から有機肥料のみでの栽培に切り替えました。メインの肥料には安価な鶏糞を使い、リン酸・カリ分は自宅の薪ストーブから出る木灰で補うという方法です(鶏糞1.6kg+木灰1.6kgで概ねN:P:K=50g:125g:150gを算出)。3月に芽吹き、4月には葉が大きく成長。前年より多くの蕾が出たため、雨に当たると受粉がうまくいかないという経験を踏まえ、ダンポールとビニールで雨よけトンネルを設置しました。

5月4日に開花(約20個の蕾)、5月22日には結実を確認。雨よけの効果もあってか、前年より多くの花が結実しました。採種については、発芽率をさらに高めるための工夫を別記事「ギョウジャニンニクの種の発芽率を上げる方法」にまとめています。

種から育てる方法・苗を購入して定植する方法のどちらにも一長一短がありますが、共通して言えるのは「霜柱対策の籾殻・あぜシート」「密植と遮光のバランス」「雨よけによる結実率の向上」が、行者にんにく栽培を軌道に乗せる鍵になるということです。