はじめに

皆さん、こんにちは。玉ねぎの収穫と保存に悩む方も多いのではないでしょうか。そこで今回は玉ねぎの長期保存のコツをお伝えします。夏場の高温多湿な環境下で玉ねぎを保管するのは難しいですが、適切な保管方法を知ることで、おいしい玉ねぎを長期間味わうことができます。

玉ねぎの長期保存のポイント

玉ねぎを長期的に保存するには、3つのポイントに気をつける必要があります。

  1. 遮光と通気性の確保
  2. 定期的な状態確認と手入れ
  3. 季節に合わせた保管場所の変更

まずは、1つずつ詳しく見ていきましょう。

遮光と通気性の確保

玉ねぎは直射日光や湿気を嫌う野菜です。そのため、日陰の場所で保管することが大切です。特に夏場は高温多湿になるため、段ボールなどに入れて遮光し、扇風機などで通気性も確保すると良いでしょう。

定期的な状態確認と手入れ

玉ねぎを長期保存する際は、月に1回程度、中身の状態を確認することをおすすめします。傷んだ部分があれば早めに取り除き、空気の流通を良くすることで、カビの発生を防げます。

季節に合わせた保管場所の変更

夏場は高温多湿になるため、できれば冷暗所での保管がベストです。エアコンのきいた部屋など、温度と湿度のコントロールができる環境があれば最適です。ただし、電気代の面でも工夫が必要かもしれません。

玉ねぎが発芽してしまったら

発芽した玉ねぎは、根本の部分を取り除き、残りの部分は通常通り使用できます。ただし、発芽した部分は硬くなっていることがあるので、料理によっては適さない場合があります。発芽が進んでいると味が落ちる可能性もあるため、早めに使い切るようにしましょう。

これらのポイントをおさえれば、8ヶ月から10ヶ月ほど玉ねぎを美味しく保存できるはずです。

長期保存に適した玉ねぎの種類

玉ねぎには早生種、中生種、晩生種の3つの種類があります。中でも晩生種の玉ねぎが最も長期保存に適しています。

新玉ねぎと長期保存玉ねぎの違い

新玉ねぎとは、一般的に早生種で収穫後1ヶ月以内のものを指します。この時期のねぎは皮が薄く、水分も多いため最も美味しいとされています。ただし外部からのダメージに弱く、長期保存には向きません。
一方で、晩生種は5月中旬から6月中旬に収穫され、一般的に「玉ねぎ」として売られているものです。適切に管理すれば8ヶ月から10ヶ月ほど保存できるのが特徴です。

栽培して長期保存したい場合は、晩生種の種や苗を選ぶようにしましょう。

玉ねぎ苗 500本 品種名ネオアース もみじ3号 晩生 長期保存用

淡路島で多く栽培されている品種で、実がしまっていて甘味と辛味のバランスが良い。
大振りで立派な姿をしている。
外の皮の色が紅葉したようになることから「もみじ3号」と名付けられた。
この作型に適する品種で、収量、貯蔵性に優れている。

貯蔵用タマネギ 種『つり玉葱』 松永種苗/小袋(4ml)

中晩生種で、5月20日頃から収穫できる。
萌芽の発生が遅く、年内から年明け早々まで長期貯蔵が可能。
濃い黄銅色の外観で、粒数は1ml当たり約300粒。
貯蔵性に優れた品種で、大きさは中玉中心

玉ねぎの保存容器や保存グッズ

メッシュのバッグ

通気性と耐久性に優れていて、湿気がこもりにくいのが特徴です。軽量で扱いやすく、洗濯もできます。玉ねぎを数個ずつメッシュバッグに入れ、直射日光を避け、風通しの良い涼しい場所に吊るして保存します。

再利用可能 コットン メッシュバッグ 布の農産物袋 5個入

ナチュラルカラーの再利用可能な農産物袋です。綿で作られていて、通気性と洗いやすさを兼ね備えています。
耐久性があり、軽量で折り畳みが可能です。果物や野菜の保存に適しています。
寸法:25cm x 31cm
カラー:ベージュ
素材:コットン
重さ:124g
パッケージの内容:5個

紙袋、新聞紙でくるむ

玉ねぎを1つずつ紙袋や新聞紙で包んでから、保存袋や箱に入れて保存すると効果的です。紙には玉ねぎの水分を吸収する効果があり、玉ねぎの湿気対策になる。また、包むことで、玉ねぎの水分蒸発を抑え、過度な乾燥を防ぐことができます。

網かごや籠で保存

通気性が非常に良く大量の玉ねぎを一度に保存するのに適しています。直射日光を避け、空気が循環する涼しい場所に置きます。

シリカゲルや除湿剤の活用

梅雨時期や夏の高温多湿な時期には、湿気対策として、容器やバッグにシリカゲルや乾燥剤を一緒に入れることで、湿度を抑え、長期保存を助けます。

温度・湿度計

保存場所の温度や湿度を把握するために、温度・湿度計を設置します。玉ねぎは湿気に弱い野菜です。適正湿度は50%〜70%程度です。条件が適していない場合は、場所を変更するなどの対策を取ります。冷蔵庫の野菜室は湿度が高いので適しません。

玉ねぎの保存には、通気性が良く、湿気を避けることができる容器を選ぶことが重要です。これらのポイントを押さえることで、玉ねぎを新鮮な状態で長期間保存することができます。

収穫した玉ねぎを長期・大量保存する方法

収穫した玉ねぎを長期間、大量に保存する場合、適切な方法を用いることが非常に重要です。ここでは、玉ねぎの長期・大量保存のための方法を紹介します。

  • 乾燥させる:収穫後の玉ねぎを数日間、風通しの良い日陰で乾燥させることは、保存の第一歩として非常に重要です。これにより外皮を乾燥させ、保存中の腐敗を防ぎます。
  • 茎を適切に処理する:玉ねぎの葉を約15cm残して切り、芽の生えるのを防ぎます。
  • 保存場所を選ぶ:涼しく、乾燥した場所での保存が理想的です。高湿度や直射日光は確かに避け、通気性の良い場所を選ぶことが重要です。
  • 吊るして保存:残した茎をまとめて縛り、軒下など、雨が直接当たらない場所に吊るして保存します。
  • 定期的にチェック:腐敗や病気の兆候が見られるものは早めに取り除くことが大切です。他の健康な玉ねぎへの影響を最小限に抑えることができます。

以上の方法で、収穫した玉ねぎを長期間、大量に保存することが可能です。

プロの玉ねぎ農家の保存方法

玉ねぎを年間通して出荷する場合は専用の冷蔵施設を使い、厳密な温度管理によって、長期保存をしているようです。

<要約>タマネギの凍結開始温度は-2.5°C~-3°Cであることが分かりました。
そこで、冷蔵庫の設定温度を-1°Cと-2°Cとし、品質評価を行ったところ、-1°Cの貯蔵が最も優れていることが分かりました。
-1°Cでは、4月でも鱗茎の1/3以下までしか萌芽せず、発根も少なくなりました。一方、0°C貯蔵では4月には鱗茎の半分程度まで萌芽し、発根も多くなっていました。
経済的な効果としては、-1°Cで貯蔵すると0°C貯蔵に比べ、損失率が2.5%、重量減が1.2%低減されることが分かりました。

タマネギの低温鮮度保持技術

1度違うだけで大きな差が現れるということです。

また別の農家では…

断熱材を吹き付けた屋外倉庫での保存:冬期(12月~2月)にも玉ねぎを出荷しており、保存は断熱材を吹き付けた屋外倉庫で行っています。この方法により、外部の寒さから玉ねぎを守っています。

糖度が高く凍りにくいが対策が必要:この農園の玉ねぎは通常の玉ねぎよりも糖度が1~4度ほど高く、そのため凍りにくい特性を持っています。しかし、倉庫の温度がマイナス20度以下になると凍ってしまうため、モーフをかけるなどの対策を取っています。

寒い時期の追加対策:寒い時期には、倉庫内の温度が極端に下がる場合があるため、玉ねぎにモーフをかけ、必要に応じてストーブを使用して燃料を使って保存しています。これにより、玉ねぎを適切な状態で保つことができます。

https://izawa-farm.com/info/495

冬の時期の玉ねぎは、保存のために手間や燃料代がかかるため、秋に比べて少し手間代をプラスして販売しているということです。

玉ねぎの腐敗対策 – すす病(黒カビ)への備え

玉ねぎを長期保存する上で気をつけなければならないのが、すす病(黒カビ)の発生です。これは玉ねぎの表皮に黒い斑点が現れる症状で、放置するとどんどん広がり、最終的には玉ねぎ全体が腐敗してしまいます。

すす病の対策としては、まず早期発見が大切です。玉ねぎの表面を定期的に観察し、黒い斑点が見つかったら早めに被害部分を取り除きましょう。また、玉ねぎの皮を1枚剥いて乾燥させることで、カビの発生を抑えられます。

さらに、収穫直後に十分に乾燥させることも重要です。収穫直後は3日ほど陰干しし、その後は日光を遮断しつつ風通しの良い場所で保管すると良いでしょう。

まとめ

玉ねぎの長期保存には、遮光・通気・定期的な手入れ、そして季節に合わせた保管場所の変更が重要です。特に夏場は高温多湿になるため、すす病(黒カビ)の発生にも十分気をつける必要があります。

適切な保管方法を心がけ、新玉ねぎの旬の時期と長期保存ねぎのタイミングを上手に使い分けることで、玉ねぎを通年楽しめるでしょう。

皆さんも、ぜひ本記事を参考に、玉ねぎの保存方法を見直してみてください。

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農作物の収穫時に、玉ねぎの保管に、球根類の保存用に。
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